042 サッカーにおける股関節と膝の痛み(靭帯損傷)

東京都江東区東雲にお住まいの30代男性自営業

社会人チームでサッカーを続けているが、1年前に右膝の靭帯を傷め半年ほどリハビリを続けて復帰。はじめは問題なかったが、1か月ほどたつと、右足でボールを蹴る時に股関節の前側と膝の外側に痛みを感じる。靭帯を傷めたのは膝の内側を固定する内側側副靭帯で、今回痛みが出るのは反対側。整形外科では特に問題がないと言われ来院された。

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 日常生活では傷めた靭帯も含めて特に痛みは出ない。内側の靭帯を傷め長いリハビリのせいか、やや側方への動揺がみられ身体の左右のバランスが良くない。右モモの外側にある大腿筋膜腸筋や外側広筋の張りが強く、股関節が前外方へ歪んでいる状態であった。筋緊張をとるように右股関節、右膝にアプローチ。同時に右膝に負担がかからないように身体全体のバランスを改善させる。それにより、ボールを蹴る時の痛みは軽減したものの何度も蹴っていると戻ってしまうとの事。そこで、改めて蹴り方を再現してもらい話を聞くと、どうやら蹴り方に問題があった。傷めた膝をかばう蹴り方をしていた為、普段あまり使わない蹴り方を過度に続けていたようであった。そこで、傷めた膝が痛くならないようにエクササイズ(筋力トレ)と自分でできるマッサージをしてもらい、蹴り方をアドバイスする。これにより、大幅に痛みの出る頻度は改善した。

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 コメント:内側の靭帯を傷めた為、ボールを蹴る際に足の内側で蹴るインフロントキックやインサイドキックで蹴るのが怖く、主に足の外側で蹴るアウトフロントキックで蹴るようになっていました。ボールに対して身体の正面で迎えに行くように蹴るのではなく、足の外に当てる為、大腿を少し内側に曲げ身体で押さえ込む形で蹴る事になります。これにより股関節の外側の筋肉に負担がかかってしまい、特にケガ明けでもあった為、身体全体の筋肉のバランスも悪く、過度な負荷が股関節と膝にかかってしまっていたようです。右膝の外側の筋肉は緊張をゆるめて、内側の筋肉は強化して膝関節を安定させた上で、改めて蹴り方に注意してもらう事で改善しました。故障明けなどでバランスが崩れた状態はおかしなクセがつきやすく、過度な負荷がかかる事でかえって傷めてしまう事もあるので注意が必要です。ちなみに、アウトフロントキックが無理な蹴り方というわけではありません。正しく蹴れば、シュート回転をかけるのに有効な蹴り方です。