106 カイロプラクティック適応外のケース (急性腰痛)

東京都江東区豊洲にお住まいの70代女性立ち仕事

仕事中、中腰で水が入ったバケツを持ち上げた瞬間に軽い痛みが走った。その後、徐々に痛みが増してきて、動作時に強く痛む。歩くことはできるが体勢によってはズキッと痛む。時々、お尻のあたりに坐骨神経痛のような痛みがでるが、今回のような痛みは初めて。状態が不安定で怖い。若い頃から慢性腎炎を患い、長年、薬を服用している。その他、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群や胆嚢摘出、逆流性食道炎なども患っているため、多くの処方された薬を服用している。

腰痛急性豊洲
来院時、身体を動かす瞬間に痛みがありました。各種検査では、ご自身で力を入れなければ痛むことなく身体を動かせました。椎間板ヘルニアなど椎間板性の問題や脊柱管の問題を疑う検査は陰性でした。おそらく椎間板や脊柱管の問題よりも筋肉性の問題が大きいと判断しましたが、医療機関でMRIなどの診察をして頂かなければはっきりしたことは分かりません。お話しをお聞きする中で、およそ50年のあいだ慢性腎炎のために薬を服用されているとこと、リウマチ性のシェーグレン症候群であることから、様々なリスクが考えられたので、慎重に判断しました。まず、強い矯正ができません。ご年齢や投薬治療などの可能性、服用されている薬の種類から、骨が弱くなってしまう骨粗鬆の可能性があります。また、リウマチ疾患の骨への矯正は禁忌です。怖い感じがあるということで施術を希望されたため、矯正などリスクのある施術はできない旨をお伝えして、筋肉など軟部組織を緩めて患部に負担がかからないようにするやり方だけで行いました。施術後、症状は緩和しましたが、翌日には戻ってしまいました。

豊洲椎間板ヘルニア
コメント:経験上、軟部組織にアプローチする負担のかからない方法で継続すれば解消できると思いましたが、先述したように、ご年齢、既往歴、投薬歴などから、様々なリスクが考えられるため、一度、専門医に判断をしてもらうことをお願いしました。まずは医療機関にて精査を行い、原因をはっきりさせることが、この方にとって有益だと判断しました。内科的疾患による薬の服用もあるので、担当の内科医に相談してから、整形外科などで精査をしてもらうようにお願いしました。今回のケースのように禁忌症がある場合やカイロプラクティックの施術がご本人にとって有益ではないと判断した場合、施術を継続せず医療機関の受診をお願いしています。