134 カイロプラクティック適応外のケース(悪性脊椎腫瘍)

江東区豊洲にお住まいの50代男性

ここ1ヵ月、持病の腰痛がひどく、3日前から夜も寝ることができないほど痛む。痛みには波があり、落ち着いている時もあるが強い時は何もしていなくても痛い。市販薬の痛みどめも効かない。椎間板ヘルニアの診断を受けたことがあり、翌日、総合病院にてMRI検査の予約をしているが、少しでも楽になればということで、ご紹介で来院された。股関節の手術と胃ガンの既往歴がある。豊洲カイロ腰痛悪性腫瘍

 来院時、どの動作においても上部腰痛付近に痛みがありました。特にしびれなどは出ていませんが、昨日も痛みであまり寝ることができなかったせいか、全身の筋肉の緊張が強くなっていました。椎間板ヘルニアの整形外科検査も腰部の痛みが強いため実施できない状態でした。夜間痛、薬が効かない、胃ガンの既往歴から、悪性の脊椎腫瘍の可能性があると考え、カイロプラクティックの施術は適応外の旨をお伝えし、早急に病院の受診を勧めました。翌日に整形外科のMRI検査が入っているため、明日、受診するとのことでした。ご本人は椎間板ヘルニアが再発、悪化していると思っているようでした。ご本人の希望もあり、強い矯正はせずに筋肉を緩和させる施術を行ないました。筋緊張が緩和すると、幾分楽になったようですが立位になるとすぐに痛みは再発してしまいました。

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コメント:結果からいうと、脊椎の悪性腫瘍、つまりガンでした。詳細は不明ですがご紹介して頂いた方のお話だと、他の臓器からガンが背骨に転移しているとのことでした。MRI検査の後、すぐに精査をするために入院となったそうです。当然、今回のケースは、カイロプラクティックの施術は適応外です。カイロプラクティックの施術によってガンを治すことはできませんが、ガンがある箇所以外にアプローチして痛みや症状を緩和させることは可能です。例えば、腰椎に悪性腫瘍があったとしても、負担のかからないように頚椎に対して施術を行なうことは可能であるということです。ただし、それはガンの治癒を意味するものではありません。今回のケースでは、患部に対してカイロプラクティックの矯正はできない旨をお伝えし、ご理解頂いたうえでご本人の希望により腰部と臀部の筋肉を緩めました。カイロプラクティックの限界と役割を改めて認識する機会となったケースでした。この方が、無事に治癒されることをお祈りしています。