162 右手(親指付近)のしびれ

東京都江東区有明にお住まいの30代女性デスクワーク

1ヵ月前から肩甲骨に痛みが現れ、右手の親指付近にしびれを感じるようになった。整形外科を受診すると頚椎の神経が圧迫されているといわれ、けん引治療を受ける。5回ほどけん引を続けると肩甲骨の痛みはなくなったが、親指のしびれは相変わらず残る。そこでしびれに対する薬を処方され2週間服用しているが、変化がないため来院された。

胸郭出口症候群豊洲

頚椎の可動域検査および頚椎の神経に対する整形学検査、神経学検査を実施したところすべて陰性であり、頚椎による神経圧迫の可能性は低いと判断しました。手首、肘、肩といった神経が圧迫されやすい個所をチェックしていくと、首からつながる神経の通り道である鎖骨付近に問題があることが確認できました。いわゆる胸郭出口症候群の可能性が高いと判断し、胸椎、鎖骨、肩関節の調整を行いました。施術の回数を重ねる度にしびれは軽減し、6回目にはほぼ気にならない状態まで改善しました。胸郭出口症候群豊洲

コメント:今回のケースは、頚椎の神経の出所の問題(頚椎神経根)と、神経が手までつながる途中のルートの問題(胸郭出口)が複合していたと考えました。頚椎神経根障害による症状は整形外科の治療で改善したものの胸郭出口の問題が残っていたと思われます。通常、胸郭出口症候群では、手が全体的にしびれる、手がだるくなるといった内容のしびれが症状として現れることが多いのですが、今回は整形外科での薬も効果がなく頚椎神経根症状に対する検査所見もすべて陰性であったため頚椎神経根の問題ではないと判断しました。このように、まずは原因がどこにあるのか、ひとつひとつ確認していくことで本当の原因が見えてきます。お身体の問題は、複数の要素が絡み合って問題を起こしていることがほとんどです。変化がない、変化が少ない場合は、別の方法も検討してみることも必要です。